子供たちの海外体験旅行では昨年に引き続き今年もオーストラリアのデリンヤ小学校にお世話になりました。同校の重点目標の一つにレジリエンス(resilience)が掲げられています。レジリエンスとは「打たれ強い」「回復力がある」「折れない心」「立ち直り力」といった意味で欧米では日常的に使われている言葉のようですが、日本で使われるようになったのはここ数年のことです。
一般的には次のような傾向が見られるそうです。レジリエンスのある人は過去の経験を肯定的にとらえ、ない人は否定的にとらえる。トラブルが生じたとき、レジリエンスの高い人は解決が早いが低い人は遅く長引きやすい。
本校では、努めて、失敗を乗り越えさせる、成功体験を積ませる、学級内(同年齢集団内)で認められる機会を多く持つようにしています。また、失敗しても周りから支えられる体験を持たせるよう心がけています。少なからずレジリエンスの向上に役立つと考えるからです。
すでに絶版となりましたが、『ありふれたこと』(清水晴男著)という名著があります。この中で、清水先生は「心のコップはうわ向きに」と述べていらっしゃいますが、ここにもレジリエンスを高めるための取組のヒントがあるように思います。