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校長便り

カルチャーショックと国際交流(校長だより)

投稿日2024/10/23

 デリンヤ小学校は、本校が毎年ホームステイでお世話になっているオーストラリアのメルボルン郊外のフランクストン市にある公立小学校です。今回は、フランクストン市と姉妹都市である静岡県裾野市との交流で来日し、10月9日に本校を訪問してくれました。来日したのは16名の5・6年生児童と校長先生をはじめ引率4名の方々です。

 夏休みにデリンヤ小学校にホームステイした本校の子どもたちが教職員とともにお迎えし、交流を持ちました。その時の様子はインスタグラムやHPでもお伝えしていますので、そちらもご覧ください。夏にデリンヤ小学校に通わせていただいた子は、久しぶりにホストファミリーの児童と再会し、抱き合って喜んでいました。 

 デリンヤ小学校の校長先生は3年前に着任したため、今回が初めての淑徳小学校訪問です。校舎内をご案内すると、大変興味深い様子で本校の施設や職員室をご覧になっていました。デリンヤ小学校には「職員室」というものがありません。校長先生は、職員の意識共有に苦労する、とおっしゃっていました。また、何もかも「広い」国と比べて、町も建物も学校も、とてもコンパクトなことに感心していました。

 国の文化は学校のあり方に深くかかわっています。わたしたちもオーストラリアを訪問するたびにカルチャーショックを受けていますが、デリンヤ小学校の校長先生も同じ思いだったことと思います。

 印象深かった事があります。

 デリンヤ小の一行が来校したのは午前10時前。まず、なでしこホールに案内し、お土産として本校の校章や名前入りのペン、日本のスナック菓子などをお渡ししました。すると、デリンヤ小の子どもたちは、当然のように、もらったばかりのお菓子をパクパクと食べ始めました。少し休んだら学校を案内する予定だったのですが、自然とおやつタイムになってしまいました。

 実は、デリンヤ小には、午前中の中休みにおやつを食べるモーニングティーの習慣があります。ちょうど同じような時刻だったので、いつもと同じように食べ始めたのでしょう。私たちはお土産としてお菓子を用意したので、早速この場で食べ始めるとは想定していませんでしたし、のんびりした様子に、その後の予定がずれていってしまう事を心配しました。

 この「予定がずれる」という感覚も、日本ならではなのかもしれません。私たちは、淑徳小学校訪問後のデリンヤ小の移動予定を聞いていたので、こんなにゆっくりして大丈夫なのかな、困らないかな、と気がかりでした。また、デリンヤ小の子どもたちを待っている淑徳小の各学級の予定も気になりました。時間によっては対応が変わってくるからです。

 しかし、デリンヤ小学校の先生方は大幅に予定がずれても、「(出発が遅くなっても)大丈夫。(行こうと思っていたところは)明日にする。」と言って、全く気に留めるようなことはありませんでした。

 日本とは違い、何事もおおらかなお国柄です。交流すれば、このような感覚のギャップを感じることがたくさんあります。夏にホームステイしてデリンヤ小に通学した子どもたちも、様々なカルチャーショックがあったに違いありません。こうした感覚を持つことが国際理解の第一歩なのでしょう。 

 デリンヤ小一行は、彼らのペースで日光や浅草、TDLなど、忙しいスケジュールをこなし、無事帰国していきました。