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校長便り

同じ願いを持って ~意識調査の結果から~(校長だより)

投稿日2024/6/26

 大乗淑徳学園では、社会貢献に資するため、令和5年11月から12月にかけて、学園の園児・児童・生徒・学生とその保護者の皆様にご協力頂き、新型コロナウイルス感染症流行の期間が人々の心に与えた影響に関する内容を中心に、意識調査を行いました。
 このほど、その調査結果がまとまり、学園教職員特別研修会で報告がありました。その報告の内容は様々ありましたが、コロナ禍の精神的な影響として、特に大学生・大学院生の孤独感や閉塞感に強く作用したことが明らかになりました。
 さて、この調査で、小学校に関して興味深い結果がありました。
   その一つは「悩んだときに、大乗仏教の精神、仏様の教えが役に立つときがある」という項目についての回答です。
   淑徳小学校児童(4〜6年生、327人)の回答結果は、
 (とてもあてはまる 29.4%   少しあてはまる 25.2% どちらともいえない20.2%あまりあてはまらない7.4% 
    まったくあてはまらない17.8%) でした。
 上記の小学生児童の回答項目ごとの割合は、中学生から大学生・院生までの結果と大きく異なります。小学生では(とてもあてはまる)と回答した児童の割合は中学生、高校生、大学生・院生等の約3倍、(まったくあてはまらない)と回答した児童の割合は他校種の約½となりました。
 また、保護者の方々からの回答についても同様の傾向がありました。特に、小学校の保護者の方々の回答においては、(まったくあてはまらない)の割合が7.1%と、全校種で最も低くなりました。
 この調査結果から、淑徳小学校の多くの保護者の皆様が、日頃から本校の仏教を基礎とした情操教育をご理解してくださり、賛同してくださっていること、そして、児童も、保護者の方々も、心の教育の良い影響を実感してくださっている方が多いことが、明らかになりました。大変ありがたいことです。
 また、もう一つ、ありがたく思える結果がありました。それは、自己肯定感に関する本校児童の回答です。「自分には、よいところがある」という質問に対し、(そう思う)という回答が50.9%でした。この質問項目は、一般の各種調査で自己肯定感を調査する際に使われるものと同じですが、他調査の結果と比較して(そう思う)が10%程度高い結果でした。自己肯定感に関する他の質問項目「今の自分自身が好きだ」「自分自身に満足している」という項目でも、(そう思う)という肯定の回答をより多くの児童が選ぶ傾向が表れ、自己肯定感の高さが示されました。
 本校では、各学級でお互いを認め合い大切にする活動を継続して行っており、そのような取り組みの成果です、と申し上げたいところですが、何よりも、各ご家庭での温かな育みが児童の自己肯定的な評価を押し上げていることは想像に難くありません。本校の教育活動の取り組みにおける肝と、ご家庭の子育てに対する方針が一致しているからこそ、お子さんの自己肯定感を高めることにつながっているのだと思います。
 お子さんの健やかな成長にとって、ご家庭と学校が同じ方向を向いて教え育んでいくことが、何より大切なことだと考えます。特に私学の教育は、学校の教育方針に賛同するご家庭に支えられてこそ成り立つものです。お預かりしているお子さんの心の成長を考える時に、保護者の皆さまに賛同していただき、協力して、お子さんを教え育んでいくことができることは、大変ありがたく心強いことです。   
 反対に、今後に向けての課題となったのは、「悩んだときに、大乗仏教の精神、仏様の教えが役に立つときがある」という項目について(あてはまらない)という回答を選んだ児童が、1/4の割合であったことです。そのように感じたお子さんの気持ちを受け止め、あらためて、大乗仏教の精神、そして仏様の教えを、発達段階に鑑み、分かりやすく丁寧に伝えていくようにしたいと思いました。
 また、「じぶんにはよいところがある」という項目で7.7%の児童が(そう思わない)を選んでいます。この割合は、一般の各種調査の結果とほぼ同じですが、なぜ(自分にはよいところがあると思わない)を選んだのか気になるところです。お子さん一人ひとりが、かけがえのない自分を大切にし、希望を持って前進していけるよう、ご家庭と気持ちを合わせて取り組んでいきたいと思います。

 第1回 大乗淑徳学園 学園内調査 
   ー新型コロナウイルス感染症](covit-19)     に関する意識調査ー  報告書より
  質問 悩んだときに、「大乗仏教の精神」、「仏教の教え」が役に立つことがある