先日、花まつりを行いました。4月8日はお釈迦様が誕生した日とされており、その誕生を祝う行事が花まつりです。本校では、新年度開始と間をおき、5月に設定しています。
花まつりでは、その名の通り、花をたくさん飾った「花御堂」という小堂にお釈迦様の誕生時の姿をかたどった誕生仏を祀り、この誕生仏に甘茶をかけてお祝いします。
誕生仏のお姿は、お釈迦様が生まれてすぐ東西南北の四方向に7歩あるき、右手で天を左手で地を指して「天上天下唯我独尊てんじょうてんげゆいがどくそん(一切の生きとし生けるものはみな尊い命を持っている)」と唱えたときの姿をあらわし、甘茶をかけるのは、お釈迦様の誕生を天が祝い、甘い雨を降らせた、という言い伝えから来ています。
この三年間は、コロナウイルス感染症の流行により、学校では様々な行事とともに仏教行事も影響を受けてきました。全校児童が一堂に会することは控えオンラインを利用していましたので、4年ぶりに全校児童が参集する法要でした。入学して間もない1年生だけでなく、2・3・4年生も初めてでした。5・6年生も1・2年生の時以来の、久しぶりの体験となりました。全校児童で仏教聖歌を歌い、般若心経を読み、お念仏をし、代表児童による甘茶かけをしました。
大乗仏教精神による人間形成を建学の理念とする本校は、花まつりと合わせて年4回の仏教行事を行っています。花まつり以外の三つの法要は、み魂まつり(7月上旬、お盆の先祖供養)、成道会(12月上旬、お釈迦様がお悟りを開いた日)、涅槃会(2月上旬、お釈迦様がお亡くなりになった日)です。児童と共にそれぞれの法要を営むことで、仏教に対する理解を深める機会として大切にしています。
今回の花まつりでは、お導師を務めた平岩教諭から「自分の誕生日はお祝いをしてもらう嬉しい日であるけれども、それ以上に、命がけで産んでいただいたお母さんにありがとうという気持ちを持つ日にしましょう」という法話がありました。いただいた命の有り難さを思い、感謝の気持ちで生活していきたいと思います。
ところで、この仏教行事で歌う仏教聖歌は、経典の文言をメロディーにのせて歌うものです。法要で僧侶が読誦する経文と同じ内容です。
その中の一つに「懺悔文」があります。淑徳の子どもたちは皆歌えますので、お子様にぜひ歌ってもらってください。
「至心に 懺悔す
我ら久遠の昔より 三毒の炎 しきりに燃えて
心の悩み のぞき難し
願わくば 今 み仏の慈光によくして
身口意ともに清らかならしめたまえ 」
仏様の教えの通り、「身口意ともに」(身体も、話す言葉も、心の中も)「清らか」になりたいと願うけれども、自分の心の悩みや苦しみは深く、自分一人では清らかになることはできません。どうぞ、仏様の慈悲のお心とお力で、私をお救いください、という歌です。普段は特別に意識しなくても、こうした歌を折に触れて歌い祈ることで、自然に子どもたちの心に清らかでありたいという願いが育まれていくのだ、と思います。
コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置付けが「5類」となり、ある意味特別な病気ではなくなりましたが、コロナウイルス感染防止対策のみならず、子どもたちが健康に、安全に、健やかに成長していくことができるよう、仏様にあらためてお祈りしました。