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校長便り

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『新しい年を迎える』(校長だより)

投稿日2022/12/20

 本日、2学期の終業式を行い、明日から冬休みに入ります。今年も、残すところ10日程となりました。コロナ感染症対応が緩和されつつあり、この年末年始は、コロナ以前とだいぶ近い過ごし方を予定されているご家庭も多いかもしれません。皆様にとって、よい年末年始になるよう願っております。
 12月初旬に、一年生の子どもたちと「お念仏の会」を行いました。お念仏の会は、普段は仏教行事や教室での朝夕の合掌の時間にお祈りしている阿弥陀様に、なでしこホールで、学年や学級ごとに私と一緒にお祈りする時間です。お念仏の会では、学年ごとに少しずつ内容を変え、阿弥陀様や仏教について私から話をしています。折に触れて仏様の教えに接し、身近に感じ、心に染み込ませ、一人ひとりが幸せに生きる心持ちを育んでいってほしいと願って、行っているものです。
 今回は一年生の三クラスでしたので、合掌の仕方、阿弥陀様のお名前を呼びお祈りすること、お十念の仕方等、基本的なことを改めて教え、一緒に「南無阿弥陀仏」とお唱えしました。そして、淑徳小学校が大切にしているお釈迦様と阿弥陀様、お二方の仏様についてお話ししました。
 ところで、年末年始には、人々が願いを込めて伝統的に行ってきた、大掃除や除夜の鐘、お正月などの慣わしが多くあります。それらには、人々の新たな年を新たな気持ちで迎えようとする思いが込められており、それは現代にも通じる大切にしたい心だと思います。
 大掃除は、今年一年の汚れや厄をきれいにし、新しい年を清々しく迎えられるようにするものです。12月中頃から始め、大晦日当日は、簡単な掃き掃除程度に留める掃き納めで終えるのがよいとされているようです。子どもたちにとっても、大掃除で、家族の一員としてお手伝いをしたり、自分の身の周りのものを整理したりする良い機会になるでしょう。
 ご家族で片付けをしながら今年一年を振り返り、新年を迎える準備をお子さんとしていただくことで、保護者の方は改めてお子さんの成長を実感されることでしょう。そして、お子さんは、自分のやってきたことへの達成感を追体験することで、新年に向けて新たな抱負や希望が湧いてくるということもあります。そうすることで、新しい年を明るく、清々とした気持ちで迎えられるようになることを願います。
 そして、除夜の鐘とお正月です。除夜の鐘の起源は、中国の宋時代とされています。日本には鎌倉時代に伝来し、室町〜江戸時代に徐々に日本中のお寺に広がり、年越しの伝統行事となったということです。以前のお便りに書きましたが、人には百八つの煩悩があり、除夜の鐘を一回つくごとに煩悩を一つずつ祓うとされています。煩悩をきれいに祓い、さっぱりとした気持ちで新年を迎えられるようにという祈りが込められているのです。
 また、正月には、多くのお寺で「修正会(しゅしょうえ)」という、その年の社会の平和と人々の幸福を祈る法会が行われます。 
 ご家族で年末年始にお寺にお参りした折には、お子様と、お念仏の会などについても話題にし、阿弥陀様に手を合わせ、一年間の感謝を伝え、これからの一年の幸せを祈る心を大切にしていただければ、と思います。

 最後になりましたが、今年一年皆様のご理解ご協力を賜り、年末を迎えられることに、心より感謝申し上げます。
 来年も、どうぞよろしくお願い致します。皆様、よいお年をお迎えください。