皆様にご理解ご協力をいただきながら、1学期の終業式を迎えることができました。ありがとうございました。今週から夏休みに入るにあたり、子どもたちに以下のような話をしました。
これから2学期始業式まで、ほぼ40日間あります。この期間に、「今年の夏休みは、これをやった!」と思えることに取り組んでみましょう。
例えば、「絵を描く」「制作する」「本を読む」「楽器の練習をする」といった時間を継続して持つようにするのはどうでしょうか。また、
「毎日ストレッチをしてカレンダーに記録していく」といった運動系のことでもいいと思います。あるいは、何かテーマを決めて、詳しく調べて
みることも、楽しそうです。
決めるときのポイントは、自分が好きなこと、得意なこと、興味があることを選んで取り組むことです。2学期になったら、取り組んだことを
先生や友達に伝えてください。夏の作品展で発表するのもいいですね。
私が子どもたちに上記のような話をしたことには、最近感じていることが関係しています。
学校で学ぶことには厳密なカリキュラムがあり、自分の得意不得意にかかわらず、どの分野も万遍なく時間とエネルギーをかけなければなりません。好き嫌いせずに、万遍なく学んでおくことは、大事なことです。
しかし、一方、日常の学校の学びだけでは、自分の好きなことや興味を持ったことを存分に伸ばしていくための時間が足りないのも事実です。しかも、世の中の流れを見ると、これからの時代に活きる力は、最低限の教養の上に、得意なことを見つけ、好きなことを極めていくことで備わっていくのではないかと感じています。そうしたことを磨いていくために、夏休みは最適な期間です。
もちろん、苦手なことから逃げず頑張ることが必要な場面はありますし、そのような経験で身に付く力もあります。また、得意なことや好きなことであっても、継続して取り組み、極めていく過程においては、壁にぶつかったり、今日はやるのが辛いと感じたりすることも無くはないでしょう。けれども、好きなことや得意なことなら、そのような状態を自分で乗り越えやすいのではないかと思います。そうして積み重ねたことが力となり、その子の個性やアイデンティティへとつながっていくことでしょう。
40日間という短い期間だけでは、そのような深遠なことまでは言えないかもしれませんが、子どもたち一人一人が、「〇〇をやり切った夏休みだった」と思えるように、と願っています。そして、もし、今年の夏休みの取り組みが、子どもたちの将来に繋がっていくきっかけのひとつになれば、大変うれしく思います。