前回の校長だよりの話題にあった「なでしこ」の花は、小学校だけではなく、大乗淑徳学園のシンボルの一つです。
小学校の校章は、なでしこの花の図案に「淑」「小」の文字がデザインされています。これは、明治の時代に、校祖・輪島聞声先生が設立された淑徳女学校の校章を受け継いでいます。
先代の理事長である長谷川良昭先生は、小学校の入学式で、なでしこの花について以下のようなお話をしてくださったことがあります。
なでしこの花は、大変かれんで小さな花だけれども、とても強い花です。大雨や大水などで河原の草花がうち倒されたり流されたりしても、
しばらくするとすっくと起き上がって、上を向いてきれいな花を咲かせ続けます。皆さんも、なでしこの花のように、苦しいことに負けず、
きれいな花を咲かせてほしい、という願いを込めて、校章にデザインされています。
このお話を覚えていたので、倒れたなでしこを心配する児童に、大丈夫だよ、と答えられたのでした。
もう一つ、学園のシンボルがあります。それは、スクールバスの乗降所前にある石像、「善財童子」です。善財童子は華厳経に登場する求道の旅をした童子です。
石造の台座には、学園の創立者であり小学校の初代校長である学祖・長谷川良信先生が、学園に学ぶ園児・児童・生徒・学生すべての理想像として善財童子を掲げられたこと、善財童子が教えを求め南に旅し53人の師友に教えを受けたことから「指南」という言葉が生まれ、東海道五十三次もこれに由来すると言われていること、という現理事長・長谷川匡俊先生の文が刻まれています。
「なでしこ」と「善財童子」、どちらも淑徳小学校の目指す児童像を表すシンボルとして、大事にしています。私立学校には、創立者の建学の理念があります。建学の理念を常に大切にし、児童の教育にあたっていきたいと考えています。