桜の時期を迎えました。新型コロナウイルスの影響で不自由な生活を強いられていることもあり、子どもたちはもちろん保護者の皆様は、きっといつもの年以上に強い期待を新年度にお寄せでしょう。
ここに、第23回毎日俳句大賞で大賞に選ばれた78歳の女性の俳句を紹介します。
黒板にあしたの日付蝌蚪(かと)に足
蝌蚪とはオタマジャクシのこと。娘さんがまだ小学校低学年の頃、保護者面談で教室に入ったら、黒板はきれいに拭かれ、明日の日直と当番の名前が書かれていたそうです。水槽の中では足が出たばかりのオタマジャクシが泳いでいます。面談ではどのようなことが話されたのでしょうか。
きれいに拭かれた黒板、そこにくっきり書かれた明日の日付、足の出てきたオタマジャクシ。一つ一つの光景に、我が子の成長を重ね合わせる母親の深い愛情が、この句からはしみじみと伝わってきます。
月日の経つのは誠に早いもの。卒業式が終わればすぐに入学式です。私たちは教室の黒板をきれいにして新しい子どもたちを迎える準備をします。これが新たな活気を学校に醸し出すのです。今年の3月は登校日が極めて少なかっただけに、なおのこと4月新年度のスタートが楽しみです。
私事で恐縮ですが、この3月末をもって校長を退任することとなりました。5年という短い期間でしたが多くの方々に助けられ何とか任を全うできました。
本校教職員の皆様にはとりわけお世話になりました。常に淑徳マインドを発揮され無理な注文にも快く応じてくださいました。いつの日かきっとそれは子どもたちの心に咲くきれいな花となって表れることでしょう。
ありがとうございました。御礼申し上げるとともに皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。