校長便り

栗とおばあさん

投稿日2019/11/6

 家の近くの雑木林に栗の木があり、秋になると小さな実をたくさんつけます。犬の散歩をしながら、食べ頃になったら採ろうと思うのですが、いつの間にか誰かに先をこされてしまいます。それも一つ残らずきれいになくなっています。子供の仕業(しわざ)ではないでしょう。最近の子供は栗の採り方やいがのむき方など知らないはずです。

 あるとき、どこかのおばあさんが竹の棒で栗を採っていました。慣れた手つきです。どうやらこのおばあさんにしとめられていたようです。しかし、お年寄りとあれば文句も言えません。毎年これを楽しみにしているのでしょうから。見ぬふりをして通り過ぎました。犬も知らん顔して歩いていきます。飼い主の気持ちがわかるのですからたいしたもの(?)です。ウチの犬は。

 ところが、このおばあさん、ここ数年姿を見せません。何かあったのでしょうか。家がわかればごんぎつねのようにそっと栗を届けるのに。今年は台風にやられたのであきらめたのかもしれません。それならそれで心配することもないのですが。

 野生の栗は実は小さくても甘いのが特徴です。いがをとるのは大変ですが自然の恵みにありつけるとあればなんてことはありません。おばあさんが一所懸命採る気持ちはよくわかります。なまで食べるのでしょうか。それとも栗ご飯でしょうか。以前、フランスの田舎町で食べた焼き栗はとても美味しく感じましたが、栗ご飯にして美味しいのはやはり和栗でしょう。ちなみに、クックパッドには栗のレシピだけでなんと9000以上も紹介されています。

 暑い夏が過ぎ季節はいつの間にか秋を迎えました。今年は台風でやられた雑木林の栗ですが、来年また美味しい実をつけてくれることでしょう。あのおばあさんのために、と思いたいところですが、でも、意地汚いと言われるのを承知で正直に言います。あのおばあさんに採られる前に一つでいいから私も食べたい!