子供から「いつ、おばあちゃんのうちに帰るの」と聞かれ、びっくりしたとはある30代の女性の話。夫婦げんかをしたときに口走った「実家に帰る!」という言葉を、どうやらその子は聞いていたようです。子供は、親や学校の先生など自分の信頼している大人の話であれば、本来の意味がよくわからなくてもしっかり聞き取る能力を持っていると言われます。
子供が転んで泣き叫んでいるとき、周りに迷惑をかけまいと「泣かない!」「痛くない!」と強い口調で言うことはありませんか。これは「痛い」という感情の否定です。「痛かったね。じゃ、立って歩こうか」と言えば否定したことにはなりません。痛いという感情ひとつとっても、否定するのと肯定するのとでは大きな違いがあります。子育ての上手な親、指導の上手な教師は、子供がいる場所であってもいない場所であっても、ネガティブな言葉をあまり使わないという点で共通しています。子供には子供なりのワケがありメンツがあります。ネガティブな言葉は時として子供のメンツをつぶすことにもなります。大人も同様ですが。
臨床心理士やスクールカウンセラーなど専門家と話をしていると、子育てや教育指導をする上で参考になることがたくさんあります。先の「実家に帰る!」や「泣かない!」、子育て上手はネガティブな言葉を使わないなどは、そのような話の中でメモしたものです。カウンセリングを受けることに消極的な方もいらっしゃるようですが、子育てに疲れたり自信をなくしたりしたときは、ぜひスクールカウンセラーに相談されることをお勧めします。重い気持ちが少しは軽くなり、ひいてはそれが子供の笑顔につながる場合もあります。まずは学級担任にご連絡ください。