本校の警備員さんは、毎朝、警備のかたわら学校前の道路に落ちたゴミを拾う美化活動(雪が積もれば除雪作業も)にも熱心に取り組んでいます。また、本校の子供たちはもちろん中高生や教職員、近隣の住民にも気軽に声かけをしてくださいます。ゴミ拾いや声かけも大切な警備活動の一環。ありがたいことです。で、なぜ、ゴミ拾いや声かけが警備活動の一環なのでしょう?
窓ガラスが割れたまま放置された建物があるとしましょう。それは管理が行き届いていないことを意味します。すぐに落書きやゴミの投げ込みが始まります。そして犯罪の温床となり地域全体がすさんでいく。街が荒れて暴力犯罪が増加すれば、古くからの住民は郊外に転居し残された住民も厄介ごとをさけるため互いに無干渉となります。こうして、暖かな共同体は解体し残されたのは貧困者と高齢者だけ。このような図式を壊すにはどんな小さなことも見逃さず、日常的なパトロールの強化などによって人々の不安感を取り除き安全意識を高めていくのが一番。この理論を取り入れ、世界で最も怖い都市を安心で安全な街に蘇らせたのがニューヨーク市警察本部の実践でした。これが有名な「割れ窓理論」です。
本校の警備員さんの日常活動にはこの「割れ窓理論」に通じるものがあります。校舎の周辺に落ちているゴミを放置しておけば、ポイ捨ては増え次第に見苦しい学校になっていきます。さらには、本来自粛すべき自家用車による子供の送迎も徐々に増加していくでしょう。そのような学校に、はたして地域住民は信頼を寄せ、保護者は誇りを持って子供を通わせられるでしょうか。
厳寒の校門前、今朝も警備員さんの地道な活動は続きます。