朝夕、気温が低い日が増え、本校の屋上から白い冠雪の富士山がくっきりと見える日が増えてきました。本校の正面玄関への通路や、高校との間の道に植樹してあるハナミズキも赤い葉を散らしだしました。いよいよ冬の始まりです。
今年はまだ、『木枯らし1号』が発表されていません。10月下旬に木枯らし1号として観測されそうな北風が強い日が何日かありましたが、気象庁に認定はされませんでした。
淑徳小学校の実感としては、『木枯らし1号』は、強い風の日、人工芝の校庭一面にケヤキの木の葉が散りばめられた時です。これは、道路を挟んで西側の高校の校庭にあるケヤキの木3本が落とす葉です。このケヤキは、淑徳が文京区から板橋区に移転してきた当時の写真に、若木として姿をとどめていますので、樹齢80年にはなろうという大木です。
落ち葉掃除は、いつもは用務の方をはじめ、バス誘導、児童見守り、警備の方々が行ってくれていますが、この時ばかりは量が多すぎて間に合いません。しかも、人工芝の上に落ちた葉は、箒では上手に集められないのです。校庭に振り散った落ち葉を踏んで粉々にしてしまうと、人工芝の隙間につまって取れなくなってしまいます。児童みんなで、拾い集める人海戦術の出番です。
昨年は、朝、遊ぶために校庭に出てきた児童に手伝ってもらい、1枚1枚手で拾い集めました。朝の時間だけでは拾いきれません。風が吹くたびに、どんどんと舞い落ちてきます。時間ごとに学年全員で、また、体育の授業の前に学級全員で、というように拾い集めました。
その日の放課後、上級生が正面通路のブロックタイルの上で、何やら、小さな粒粒としたものを拾い集めていました。「あっ、またあった」といって拾っています。「先生、これ、何ですか?」差し出された手のひらには、直径3mmほどの茶褐色の粒がいくつも。それは、ケヤキの木の実でした。落ち葉と一緒に吹き飛ばされてきたようです。土の上に落ちたら、気が付かなかったのでしょうが、たまたま、タイルの上に落ちていたので目についたのでしょう。ケヤキの実は、大木であっても直径3mm前後。どんぐりや栗とは比べ物にならない小ささです。自然の不思議さを感じます。
今年は、いつ「木枯らし1号」が吹くのでしょうか。調べてみると、2018年も2019年も記録されていません。これも気候不順の影響でしょうか。