子供たちの元気な声と明るい笑顔が校内に満ちあふれています。やはり子供あっての学校ですね。
昨日9月1日は防災の日でした。これは1923年(大正12年)同日に発生した関東大震災にちなんで制定されたものです。本校では今日2日が始業式のため、保護者の皆様のご協力をいただき災害等を想定した児童の引き取り訓練を行いました。
「天災は忘れた頃来る」という言葉があります。これは物理学者の寺田寅彦によるものだと言われていますが、実際は、弟子の中谷宇吉郎によるもので、これは岩波文庫の「中谷宇吉郎随筆集」に詳しく書かれています。
ところで、中谷の随筆に「簪(かんざし)を挿した蛇」というのがあります。幼い頃に博士が聞いた伝説や噂話などをもとに、科学教育の普及には非科学的な教育も必要であるとの考えを述べたものです。その中に、「不思議を解決するばかりが科学ではなく、平凡な世界の中に不思議を感ずることも科学の重要な要素であろう」というくだりがあります。
昔、小3の学級担任だったときある子が次のような文を書いてきました。
「私の家の近くに、色の変わる不思議な屋根があります。色が毎日変わるのです。最初にそれを見付けたのは妹でした。私は、はじめ、妹が『今日は屋根の色が白だ』とか『今日は青色だ』などと言っているのを聞いて、何を言っているのだろう、変なことを言うなと思っていました。でも、よく見るとほんとうに毎日色が変わっているのです。最初に私が見たときの色は赤茶色で、次の日は青色で、また次の日は白色でという具合です。不思議に思ってお母さんに聞いてみると、赤茶色はさび止めの色で、青や白や水色などは、日光に反射して色が変わるのだと教えてくれました。そういえば、晴れの日は白色が多く、雨の日は青などの色が多かったです。それにしても、大発見と思ったのに残念!」
中谷の言葉は「子どもの日常に変化や成長を感じることは学級担任の重要な仕事である」とも言い換えられます。ささいな変化に気付く目を持って子供たちの教育に当たっていきたいと考えます。