6月1日から2日にかけ学園関係者とともに北海道松前町に行ってきました。同地を生誕地とする校祖輪島聞声先生の百回忌報恩記念として松前町に顕彰碑を建立。その除幕式と併せて開催された記念講演会に出席するためです。松前は函館から自動車で2時間ほど。北海道の最南端に位置し北前船の寄港地として栄えた港町です。聞声先生の父太左衛門は、輪島屋五代目当主で質商などの商いを営み、町内きっての資産家で人望を集めていた方だということがわかりました。
円形の立派な石碑には、「進みゆく世におくれるな 有為な人間になれよ」と刻まれています。世の中が日進月歩で変化し女性の役割や権利なども拡大していく中にあって時代に遅れず社会で輝く存在になるようにとの教えです。1892年(明治25年)、先生は淑徳女学校を開校します。大乗淑徳学園の歴史の始まりです。後に先生が結成した淑徳婦人会は夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の中で「先端の文化教育講座」としても登場します。
校祖輪島聞声先生とともに学祖長谷川良信先生は大乗淑徳学園の歴史を語るうえで最も重要な人物です。平成27年9月、学祖生誕地の茨城県笠間に50回忌顕彰事業の一環として顕彰碑が建立されましたが、その時すでに理事長の長谷川匡俊先生は今回行われた校祖百回忌の報恩事業を思い描いておられたようです。
いずれの式典にも立ち会うことができたのは、学園関係者の一人として、また、小学校を代表する立場にある者として大きな喜びです。
小学校は来年創立70周年を迎えます。学校に歴史あり。「なでしこホール」前の壁面に学校の歴史(淑徳小ヒストリー)が一目でわかる年表を設置し、これを記念事業の一環にしたい。函館から帰る新幹線の中で思いを深くいたしました。