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『校外学習をめぐる思い』(校長だより)

投稿日2021/10/15

 これまで本校では、3年生の高原学園から始まりスキー教室や修学旅行などで、卒業までに合わせて7回・20泊もの宿泊学習を行ってきました。宿泊学習は、家族と離れクラスの友達と寝食を共にすることが大きな目的の一つです。3泊4日の共同生活の中で、役割を分担し協力する過程でお互いを理解し、わがままを抑え、お互いに許しあう体験は、普段の学校生活では得られない大きな成長の機会となってきました。
 新型コロナ感染症の流行以来、この大切な行事を中止せざるを得ない状況が続いています。今年度も各学年の宿泊学習を9月から10月に予定していましたが、急激な感染拡大のため実施を断念しました。少しでも代わりになることをと考え、感染者数減少が伝えられる今、日帰りの校外学習を各学年で計画しています。
 つい先日、その一つである「2・6遠足」が行われました。「2・6遠足」は2年生と6年生の合同遠足で、異学年交流行事の一つです。学校から2.5kmほど離れた都立城北公園まで歩いていき、2年生と6年生が秋の公園で一日を過ごすというものです。
 昨春は実施できなかったのですが、本来なら、1年生入学当初に、5年生が1年生の教室へ朝の登校後の支度のお手伝いに行っています。その時の1年生と5年生が進級し、一緒に遠足に行く恒例行事です。2年生も6年生も、それぞれ学ぶことの多い遠足として大切に考えています。
 実施当日の天気予報は曇りのち雨、午前中の降雨確率は40%。お昼には雨が降っているのは確実です。午前中のいつに降り出してもおかしくない空模様でした。
 それでも、子どもたちが楽しみにしている久しぶりの校外学習を何とか実施しようと、2年生と6年生の担任たちは、雨が降り出したらすぐ帰校の途につけるようにスクールバスの手配をし、徒歩では時間がかかる2年生は、往路はスクールバスでの移動に変更し、予定を早めて学校を出発しました。
 そのような手配が功を奏して、雨が降る前のひと時、2年生と6年生は思いっきり遊べたそうです。お弁当は学校へ戻って食べることにして、11時、公園を後にしました。学校へ戻ってくると、予報通り雨が降り始めました。
 帰ってきた子どもたちを昇降口で迎えると、どの子もニコニコしています。久しぶりの校外活動とたくさん遊べた満足感に、顔が光り輝いていました。
 その日、下校する6年生に声をかけました。
「思いきり遊べましたか?」
「はい、もう、くったくたです! 2年生、元気すぎるんですー!」
 6年生は2年生のお相手に少し疲れましたが、自分たちが2年生の時に当時の6年生に遊んでもらったことを思い出してがんばったそうです。立派な最上級生です。その言葉が微笑ましく、また頼もしく、嬉しくなりました。
 少しずつですが、学校の日常を取り戻していけることを願っています。