校長便り

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たかが人員確認 されど人員確認

投稿日2016/10/17

 「2009年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長は必死に機体を制御しハドソン川に着水させることに成功。その後も浸水する機体から乗客の誘導を指揮し全員が事故から生還する。機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が正しかったのか、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われる。」

 これは、実話に基づく映画『ハドソン川の奇跡』のあらすじです。当時、機長が英雄扱いされたのはよく知っています。就任したばかりのオバマ大統領と握手している場面がテレビでも映し出されていました。が、その裏側で、あたかも犯罪者のような扱いを機長が受けていたことを私は知りませんでした。結果として、機長の判断の正しさは再度明らかになるのですが。

 この映画を観ていて機長の行動に最も共感を覚えたのは次の場面でした。まず、最後に脱出する際、機内に乗客乗員がまだ残っていないかをずぶ濡れになりながら目視して歩く場面。そして助け出された後に生存者は何人かを尋ね、「155人」(つまり全員無事)という回答を得て安堵する場面です。

 人員確認は学校においても重要な仕事の1つです。毎朝の登校人数の確認は、万が一、地震や火災が発生して全校避難をしたときのためにも絶対に必要です。遠足や旅行などにおいても同様。安全・安心確保の基本は人員確認に始まり人員確認に終わります。ですから、人の命を預かる立場にある者にとって人員確認ほど大切な業務はないのです。この簡単な業務にのしかかる重みがどれほどのものかは、その立場になってはじめて分かるものと言えましょう。