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校長便り

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付け木の心

投稿日2015/12/19

昔、ご近所からお赤飯やお餅などの頂きものをするとその容器にマッチを入れてお返しをしました。それを「付け木」と言うのは知っていましたが、なぜマッチを入れるのかは長い間知りませんでした。つい最近、通勤の車中でスマホをいじっていたら、たまたま「付け木」の検索項目が目に入りました。

「付け木は薄い木片の端に硫黄を塗ったもので、マッチが普及する以前、火を他のものに移すのに使っていた。『硫黄』が『祝う』に通じることから、頂きもののお返しにも使われた。」(「日本農業新聞」e農net、2015/6/23より一部抜粋)とあります。これは東京都国分寺市での話です。他の検索項目を見ても東北地方にも同じような風習のあったことがわかります。おそらくマッチが出回るようになって、お返しとしての付け木がマッチに変わっていったのでしょう。

時代は変わりマッチは家庭で使われなくなりました。同じくして、ご近所との付き合いは疎遠になり「付け木」も死語になりました。私生活に立ち入られることを極端に嫌う方もいますからなおさらでしょう。とは言え、お返しの気持ちを表す付け木の心はいつまでも絶やしたくないものだと思います。

この1年「校長便り」をご愛読いただきありがとうございました。来たる年がより明るいものとなるよう祈念し年末のご挨拶(付け木)とさせていただきます。どうぞ皆様よい年をお迎えください。