今日は2学期の始業式。異常な暑さも峠を越え、朝夕は秋の気配が感じられるようになりました。新しい気持ちで学校生活が迎えられることを嬉しく思います。
今年も7月29日から8月8日の11日間、17名の子供たちとオーストラリア海外体験旅行へ行ってきました。日本とは逆で冬のため夏休みはありません。17名の子供たちは、日中は、受け入れ先のデリンヤ小学校でバディ(ホストファミリーの子供)と学習に取り組み、下校後はホストファミリーと生活を共にします。
引率職員は、登校時は子供たちの健康チェック、日中は学校に待機し授業参観、下校後はホームスティ先の家庭訪問などを行い、夜はその日の様子をまとめて日本の家庭にメール配信します。3か月前からはじまる事前指導などを含めると、引率職員の業務はかなりハードです。お陰様で特に大きな問題もなく楽しく充実した旅行ができました。
デリンヤ小学校は、メルボルンの南にあるフランクストン市に位置し、全校児童が約800名の規模の大きな公立小学校です。お世話になるのは今年で4回目。教育目標には、友好(friendship)、責任(responsibility)、敬意(respect)、誠実(integrity)、ユーモア(humour)、楽観(optimism)、快活(resilience)が掲げられ全校挙げてこれらの実現に取り組んでいます。淑徳小学校で言えば、感謝する心、いつくしみの心、創造する心に相当するものです。
滞在中、何度かデリンヤ小学校の校長先生と意見交換する機会がありました。子供たちに最も必要かつ実現の難しい教育目標は何かを尋ねました。デリンヤ小で18年校長を務めるジェニー先生は、即座に「敬意(respect)」だとお答えになりました。子供と子供、子供と教師(大人)、教師と保護者、教師と教師、これらの関係づくりにおいて敬意ほど大切なものはなく、それでいて敬意ほど身に付けることが難しい価値はありません。まさに同感・共感です。
とりわけ重要なのが教師間の敬意。教師間に「敬意(respect)」がなければ、教師と保護者間、子供と教師間、子供間に敬意など育まれないでしょう。これをどこまで実現できる(ように仕組める)かは、ひとえに校長の人格とマネジメント能力にかかっています。古今東西、公立私立を問わずすべての学校に共通する課題です。ジェニー校長先生はあと2年で退職を迎えられるそうですが、一つの学校を完成させるには10年や20年かかるというのは頷ける話です。
前回はデリンヤの先生方に夕食会へお招きいただいたので、今回は淑徳小がデリンヤの先生方をお招きし海辺のレストランで夕食をともにしました。相手校に敬意と感謝の気持ちをきちんと伝えること。これも大切な国際交流の一環だと思います。2度目のデリンヤ小訪問は、私にとっても大変意義ある旅となりました。