あるテレビ番組で、「なんで校長先生のお話は長いの?」という話題を取り上げていました。興味津々。私も一所懸命考えてみました。が、よくわかりません。正解は「ネタ本があるから」でした。なるほど!当たらずとも遠からず。確かに、校長室や自宅の書棚には校長講話用のネタ本が数冊あります。では、なぜネタ本が使われるようになったのか?それは、必要とする校長先生がいるからで、私も初めて校長になったときは一度お世話になったことがあります。

 子供に対する熱い思いや教育に対する自身の考えなどを、例を引きながらわかりやすく、偏りのないように語ろうとすればするほど話は長くなっていきます。校長先生の話が長くなる理由には、ネタ本があるからの他に、校長先生の真面目さや良心がにじみ出るからというのもあるでしょう。ただ、私自身そうですし、また多くの人がそうであるように、校長先生の話で印象に残っているものはまったくと言ってよいほどありません。『心に響く校長の講話集』をもとに話をしたのに、誰の心にも響いていなかったとすれば寂しい限りです。どんなに素晴らしい内容であっても、長くなればなるほど聞き手の興味関心は薄れ、結果として、印象の乏しい話になってしまいます。自分の心に響いても相手の心に響かなければ講話の意味がありません。

 ネタ本に頼らず、話したいことを自分の言葉で短く話す。削りに削ってこれ以上削ったら中味がなくなってしまうというところまで削って話す。すると、人に与えるインパクトは強くなります。スピーチの文章は足し算でなく引き算で作るのがポイント。私自身について言えば、子供の前で話す校長の話は3分以内で終わらせることを目標にしています。達成率は8割程度でしょうか。