「自由研究」代行ビジネスというものの存在を、『毎日新聞』(29年10月19日付)の「記者の目」欄ではじめて知りました。小中学生が夏休みに取り組む自由研究を保護者の依頼で代行するビジネス。それが「自由研究」代行ビジネスです。自身も小学1年の子をもつ母親だという記者は、このようなビジネスが生まれる背景(親の気持ち)について次のように書いています。

 「そもそも、ひらがなを習ったばかりの小学1年生に、自由研究は容易ではない。加えて、保護者も小学生も想像以上に忙しい。両親が共働きで夏休みに毎日朝から晩まで学童保育で過ごす子供は少なくない。習い事や受験勉強の開始時期も低年齢化している。親子がそろう貴重な休日は、家族で楽しく過ごしたい。」

 気持ちはよくわかります。本校も夏休みに課題は出しますが,「自由研究」は必須ではありません。それにしても、過去に学校へ提出された一部の子供の自由研究がネット上で売買されているとは驚きです。が、これと同じようなことを子供たちだけで考え商売にするといった内容の本があるのを思い出しました。『宿題ひきうけ株式会社』(理論社、吉田足日作)がそれです。手元にあるのは新版ですが旧版は50年も前に出版されています。児童文学としては古典中の古典。私も学級担任をしている頃、子供たちに読み聞かせをした記憶があります。6人の小学生が本人にかわって宿題をする「宿題ひきうけ株式会社」を作ってみんなの悩みを解決しようとする話です。子供向きに書かれてはいるものの、憲法や労働組合の話が出てくるなど社会派的な側面もある本です。宿題を出される側だけでなく出す側にも一読の価値はあるでしょう。本校の図書室にもありますが、他の児童書に比べ読まれた形跡が少ないのは残念と言えば残念です。